保育士の給料が安い理由
保育士の給料の実情とは
保育士は残業も多く自宅に持ち帰る仕事も多い・・子供と触れ合う中で体力勝負となりますし、保護者や仲間とのコミュニケーションも取らなければなりません。
精神的にも肉体的にもハードだと思える保育士の給料を見ると、こんなに低いのか?とびっくりされる方も多いでしょう。
内閣府の2019年度による保育士・幼稚園教諭の平均賃金を見ると、フルタイムの保育士の現金給与は23万弱くらい、年収は賞与を含み340万くらいです。
2014年度をみると320万弱くらいですから、上昇しているとはいえ、業務内容から見ると低いといわざるを得ない状態です。
保育士の給料はなぜ安いのか
保育園も公立、私立などの形態があり、私立保育園の中には保育士年収の相場より高い賃金のところもあります。
しかし他の業務と比較すると決して高いとはいえず、業務内容から見ても低い状態です。
なぜ、保育士の給料が安いのかというと、公定価格によって収入が変動しないことや、実際の業務と給料が見合っていないと感じるからです。
保育園は公費、保育料から公定価格で運営されているため、子ども一人の単価によって設定されており、入園児の数や年齢、所在地によって決定されています。
保育士がどんなに業務をこなしても、子どもの人数等で公定価格が決まるので、給料に反映されないのです。
また保育士は、子どもが危険な状態にならないようにともに遊ぶほか、保育計画を立てたりイベントの準備を行う仕事もあります。
毎日保育日誌を付け、連絡帳を記入し、時には保護者から相談を受けたりクレームを受けることにもあり、かなりの業務をこなすことが必要です。
就業時間内に業務が終らなければ家に持ち帰ったり、残業したり、担任となれば休みも取りにくく、シビアな環境です。
業務のわりに給料が低く上がらない状態となっているため、理不尽さを感じる人も多く、保育士資格を持っていながら他の業種に変える方も少なくありません。
保育士の給料が違うのはなぜ?
低いといわれる保育士のお給料ですが、それでも保育士によって給料の額が異なります。
この差は自治体による給与水準の違いから出てくるものです。
日本はどんな業種でも都道府県によって人口、雇用、産業などが異なり、そこで給与水準も変わってきます。
最低賃金も都市部の方が高く地方に行けば行くほど低くなるのが一般的です。
都道府県別の保育士給与を比較してみると、第1位の東京都では430万円くらいですが、第5位にランクインしている岡山県は380万くらいです。
1位から5位という差ですが、ここですでに50万もの差がついています。
また年齢によっても異なり、25歳から29歳では月給21万くらい、賞与64万くらい、年収323万くらいです。
これが55歳から59歳になると、月給27万弱、ボーナス84万くらい、年収400万程度までアップします。
長く勤め、キャリアを伸ばすほうがより高い年収となるのですが、休みがとりにくかったり、業務がきついなどから退職する人が多いため、そこまでたどり着くのがなかなか難しいのです。