児童生活支援員
さまざまな役割をもつ
児童生活支援員とは、児童自立相談員など、さまざまな名称で呼ばれることもある、児童自立支援施設で働く職業のことをいいます。
児童自立支援施設とは、家庭での生育環境が十分でない子供や、飲酒や喫煙、窃盗などのさまざまな非行に走った子供、または非行に走りそうな子供が入所し、生活する施設です。
そして、子供の生活をととのえ、学習支援や職業支援を行うことによって、その子供が将来自立していけるように幅広く支援するのが、児童自立支援施設の役割です。
そんな場所で働く児童生活支援員は、子供たちに対して生活のマナーや集団生活の過ごし方など、さまざまな指導を行っていくのがその役割となります。
まさに、親代わりとなって親身に相談に乗り、根気強く指導していくことが求められます。
やりがいも大きいですが、人間力や懐の深さなど、人間性も求められる仕事といえるでしょう。
そもそも、児童自立支援施設に入所する子供は、両親に問題があったり、家庭の環境がよくない状況で育ってきた子供たちが多いです。
なかには、さまざまな状況によって、大人に信頼感を持てずに育っている子もいます。
そんな子供たちの声に耳を傾け、非行に走ってしまった原因をじっくりと考えたり、指導するべきことを指導し、ともに生活していくということで、忍耐強さや根気、前向きな姿勢も求められる仕事といえるでしょう。
また、施設で子供たちと寝食をともにする必要があるため、不規則な勤務形態に耐えられることも条件となります。
なるには
では、そんな児童生活相談員になるには、どのような道をたどれば良いのでしょうか。
児童生活相談員は、これといった資格があるわけではありません。
ただ、保育士の資格を持っている人が登用されやすいため、まずは保育士の資格を取るのが近道といえるでしょう。
そして、児童自立支援施設は、ほとんどが公的な運用となっており、私立の施設は少ないのが現状です。
そのため、児童生活相談員になるには、公務員試験を受けて、こうした施設での勤務を希望するのが一般的な道といえるでしょう。
ただ、公務員として採用されても、確実に児童生活相談員となれるわけではありませんので、確実になりたいという方は、私立の施設を探してみるのもひとつの方法です。
私立の児童自立支援施設では、その施設ごとに行われる採用試験を受けて、それに合格すればその施設で働くことができます。
ただ、私立の施設はまだまだ数が少ないため、NPOなどの団体を探すのもひとつの方法といえるかもしれませんね。