認知症とアルツハイマーについて
認知症とアルツハイマーは一緒?
高齢化社会になって、認知症の問題がニュースなどでもクローズアップされることが増えてきています。
ここで認知症とアルツハイマーをいっしょくたにしている人もいます。
しかし認知症とアルツハイマーは厳密にいうとイコールではありません。
認知症とは、脳が病的な障害を受けて、問題行動や痴呆などを引き起こす症状の総称をさします。
認知症の中の一つのジャンルとして、アルツハイマーがあると思ってください。
ちなみに認知症はアルツハイマーの他にももう一つ、脳血管性認知症という分野があります。
ですからアルツハイマーは認知症の一部だと思ってください。
アルツハイマー型認知症とは
認知症の疾患の中でも最も多いのが、アルツハイマー型認知症といわれています。
脳内にある神経細胞が急速に減少することで脳が委縮してしまい、知能低下や人格崩壊の起こる症状をさします。
なぜ神経細胞が急速に減少するかは、現在のところまだ詳しいメカニズムは分かっていません。
アルツハイマー型認知症の初期症状は物忘れにあります。
古い記憶はしっかりしていても、最近の出来事に関して記憶できなくなります。
置き忘れや同じことを何度でも聞き出すようになると危険です。
この軽度の障害が5~6年程度続くと、徐々に症状は進行していきます。
中度の障害になると知的障害や失語、失認といったものになっていきます。
アルツハイマー型認知症の治療法ですが、まだ確立されていません。
しかし薬を服用するとか、生活習慣を改善することで進行速度を遅らせることはできるようになっています。
おかしな言動がしばしばみられるようになったら、一度医療機関で専門医の診察を受けた方がいいでしょう。
脳血管性認知症とは
アルツハイマーの他にももう一つ、脳血管性認知症があります。
脳血管性認知症とは脳全体の血流が低下することで脳の機能が十分に果たせなくなり、認知症の症状を引き起こすことをさします。
脳の内部に大きな梗塞があるとか、小さいながらも無数に梗塞している個所があると発症します。
脳血管性認知症の場合アルツハイマーとは違って、ある特定の能力だけ低下するのが特徴です。
早期の状態で手足のまひやろれつが回らない、尿失禁を引き起こす、歩行障害を起こすといった症状が出てくることも多いです。
脳血管性認知症の場合、初期症状の段階で診察してもらえば、進行を食い止めることができます。
どうも最近一部おかしな行動が見られる、その状態が続くというのであれば、医者に診せるべきです。
認知症全般で言えることですが、進行速度は家族の協力によっても遅らせることが可能です。
逆に家族をはじめ周囲の人間が正しい認識を持っていないと、認知症がどんどん進行する可能性もあります。
不安やストレスは認知症を進行させる可能性が高いので、家族は戸惑うこともあるでしょうが積極的にサポートすることです。