社会福祉とは
多くの歴史の積み重ね
私達は普段、何気なく「社会福祉」という言葉を使用していますが、この概念や制度ができあがるまでには非常に長い歴史があり、思想や必要性については多くの議論がされてきました。
そもそも社会福祉とは何かということですが、これは高齢や障害よって体が不自由となり自立した生活が遅れなくなってしまった人や、乳幼児や貧困者など社会的弱者を救済するために行う取り組み全体のことをいいます。
長年このような自立した生活ができない人に対しては本人や家族が解決をするものという概念が持たれてきましたが、そのような小さな単位ではどうしても対応ができないケースもあり、あえて第三者が介入することにより解決をはかる方がよいという社会的ニーズを受けて、「社会福祉」というしくみが誕生したのでした。
中でも現在日本においては急激な少子高齢化が進んでいることもあり、社会福祉の中でも特に「介護福祉」という高齢者や身体障害者・知的障害者・精神障害者のためのケアを目指す分野で必要性が高まってきています。
個別の対応が求められる
社会福祉の実践方法は全国どの人にも一律というわけにはいかず、その地域や個人に対して最も適切であるという方法を探していかなくてはいけません。
例えば同じ高齢者介護ということを見ても、寝たきりや認知症という完全に一人では生活ができない人に対してのケアと、意識はしっかりして自分で行動はある程度できるけれども、重い荷物を持ったり毎日の買い物をするための歩行まではできないという人では、たとえ実年齢が同じ人であっても必要とされるケアは全く違ってきます。
そのため、社会福祉・介護福祉においては行政団体だけでなく地域全体が一体的に取り組めるきめ細かいケアができる方法を模索していくことになります。
そこで問題となるのが社会福祉の担い手とは誰なのかということですが、これは一つに限定することはできません。
あえて挙げていこうとするなら、それらは段階的にどこまでが範囲かということを細かく見ていく必要があります。
介護が必要な本人に対しての福祉の担い手の順位として、家族、地域、民間非営利団体(NPOなど)、公的サービス、政治を含む社会全体、というふうに少しずつ大きくなっていきます。
本人の様態によってどこまでの範囲で解決できるかということを見極め、そこから必要な社会福祉を提供していくということになります。
多様な人に対してどのようにサービスを提供するかということが、現在の社会福祉における最重要課題なのです。