理学療法士
理学療法士の仕事内容
病院の中には医者や看護師の他にもいろいろなスタッフが在籍して、それぞれの持ち場で仕事をしています。
その中の一つに理学療法士という職種があります。
病気や事故などの影響で、体に何らかの後遺症が残るケースもあります。
体に障害が残ってしまうと、日常生活を自力で行えなくなります。
また高齢者になると、身体機能がどんどん衰えてきます。
このような後遺症の残る患者や高齢者に対して、リハビリを行うのが理学療法士です。
そうして機能回復や温存を図り、自立した生活が行えるようにお手伝いをするスタッフです。
理学療法には、運動療法や物理療法があります。
いずれも医者の指示の下で実施されます。
一方で理学療法士自身も患者の状態を確認し、個人に合ったリハビリプログラムを作る必要があります。
日々のリハビリでどの程度機能が回復しているかを観察するのも重要な仕事です。
また患者やその家族に対してどのような状態なのか、今後どのようなプログラムを組むか説明するのも重大な任務といえます。
理学療法士になるには
理学療法士は国家資格なので、国家試験に合格しないといけません。
受験資格もあって、高校卒業後に理学療法士課程のある大学や短大、専門学校で必要なカリキュラムを修了しないといけません。
国家試験の合格率を見てみると年々90%前後で推移しています。
かなり高い合格率なので、難易度は低いと思われがちです。
しかし実際には専門教育を受けている人だけを選抜して受験されているので合格率が高いだけで、きちんと勉強しておかないと合格できない恐れもあります。
理学療法士に関連する資格として、作業療法士という国家資格があります。
この作業療法士の資格をすでに取得している人が理学療法士を目指す場合、理学療法士課程の一部の単位を取得する必要がありません。
このため、より早く卒業でき受験資格を得られます。
高齢化社会の中で必要な資格
今後日本はますます高齢化の道を進むとみられています。
高齢者になると運動機能が衰えますので、リハビリなどをして機能を維持することが重要な課題になります。
その意味ではリハビリのプロである理学療法士の果たす役割は、今後ますます大きなものになるでしょう。
理学療法士はリハビリを通じて、身体機能の維持や回復を図るのが重大な役割です。
しかしメンタルの面でも、患者の心の支えとしてパートナーとしての役割を果たさないといけません。
ですから社会的責任の大きな仕事で大変な半面、責任感を持って仕事ができるのでやりがいのある職業とも言えます。
他人の役に立ちたいとか、前向きに仕事をしていきたいという人には向いている職種といえます。
理学療法士全体で見ると正社員の平均的な年収は、350~500万円程度です。
決して高い収入ではないかもしれませんが、充実した日々を送れるはずです。