婦人相談員
女性を助ける仕事
婦人相談員は、売春禁止法によって規定された職業で、売春を行っている、あるいは売春を行うおそれのある女性を発見して相談・指導を行う役割を担います。
場合によっては婦人保護施設への入所の必要性を判定し、関連施設や関連機関と連絡を取り合って、その女性が抱える問題への解決を図る仕事です。
売春禁止法によって規定された職業なだけに、もともとは売春を行っている女性や売春をしてしまうおそれのある女性を指導し、助ける役割を担っていましたが、近年では、DV、家庭内暴力、その他、夫の問題などを抱える女性を支援する役割も、その業務の多くを占めるようになってきているようです。
婦人相談員としてのやりがいは、さまざまな問題で困っている女性を助け、新たな道を見つけられるように支援する仕事なだけに、その人自身からの感謝やご家族からの感謝をやりがいとして仕事をしている方が多いようです。
また、DVや家庭内暴力など、女性をめぐる問題は絶えない世の中ですので、そうした問題を少しでも解決したい、自分にできることで少しでも役立ちたいということをやりがいとして続けていらっしゃる方もいます。
やりがいは十分な仕事ですが、反面、問題点も少なくありません。
まず、婦人相談員の待遇ですが、ほとんどが非常勤で、その待遇や報酬も高いものであるとはいえません。
また、ときには支援している女性の夫や関係者が乗り込んでくるといった非常事態も考えられます。
売春のおそれのある女性に関連する人間ということで、時には怖い人相の人間が乗り込んでくることも、考えられないことではありません。
そうした場面においても冷静に対処し、根気強く説得し、支援を続けていく力が必要となるでしょう。
なるには
では、婦人相談員になるには、どのような道をたどれば良いのでしょうか。
婦人相談員になるために「この資格が必要」といった、決まった資格はありません。
ただ、婦人相談員になろうと思って資格をとったり、決まった会社に入ればなれるというものではありません。
まず公務員になって福祉関連の部署に配属されて婦人相談員となるか、もしくは女性問題などで何らかの実績のある方、ボランティア経験が豊富な方などへ、個別に依頼がなされて婦人相談員となるケースなどが多いです。
そのため、公務員になったとしても婦人相談員になれる確約はありません。
どうしても婦人相談員になりたいのなら、女性を支援する関連のボランティアとして実績を積んだりする努力が必要になるかもしれませんね。